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≪Exhibiton Report≫ASSEMBLE 共同体の幻想と未来展@The Eye of Gyle

B面:ボーイズカルチャー Exhibition Report

現在、表参道のGYLE内のギャラリースペースThe Eye og Gyleにて

開催されている「アセンブル 共同体の幻想と未来」に行ってきた。

 

ASSEMBLE(アセンブル)は、イギリスで2009年に結成された建築家集団。2015年にリバプール・グランビーでの活動が評価され、異例の団体でのターナー賞受賞で、注目を集めた。彼らの活動は、単に、建築物を建てるということにとどまらない。

地域コミュニティ、公共団体とともに、人が生活する環境自体を考えている。

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 今回のGyleでの展覧会は、彼らの活動を代表する、前述のターナー賞受賞のきっかけとなったグランビー地区でのプロジェクトを紹介している。

 

展示については、開催中のため詳細は触れないが、概要を記しておく。

リバプール・グランビー地区は、かつてヴィクトリア朝の街並みがあったが、住宅再建計画によりその多くを失った。20年にわたり、市民レベルで当時の家屋が残る「グランビー・フォー・ストリーツ」を守る活動が行われてきた。アセンブルは、廃屋化した住宅(ヴィクトリア朝の長屋)を保護・修復するプロジェクトを依頼された。

今回の展示では、アセンブルによるプロジェクトの前の街並み、工事中、工事後、内装をつくる際に使用した廃屋の瓦礫を利用したインテリアプロダクトづくりの様子、また、公共施設「ウィンターガーデン」の完成予想図が見られる。

 

印象に残ったのは、「グランビー・ワークショップ」という活動と、現在建設中の「ウィンター・ガーデン」だ。

「グランビー・ワークショップ」は、長屋修復の際の内装にも用いられた、住宅用インテリアプロダクトを手作りするための工房の設立と、地元の住民を雇用してプロダクトを制作・販売させ、その収益をグランビーの地域再生活動に還元するというシステム。

比較的簡単な作業でつくられるプロダクトは、シンプルでありながら、偶然性によるランダムな模様や形によってとても味のある仕上がりだ。私は中でも、ミロの絵画のような、下のタイルがお気に入り。f:id:yuhkixx:20170128160404p:plain

D.I.Y.による地域復興。日本でもアダプテーション可能なシステムなのだろうか。

 

ウィンター・ガーデン」はグランビーの地域の人々が集まる場づくり。2016年11月からプロジェクトが開始された。「二階建ての廃屋2戸を草木が生い茂るインドアガーデンとアーティスト・イン・レジデンス施設を併設する集会場『コモン・ハウス』へ転じる」というものだ。「ウィンター・ガーデン」のインスピレーションは、街にある屋根のない廃屋たちだそうだ。完成予想図では、室内ガーデンで、大きな植物が力強く植わっている。

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アーティスト・イン・レジデンスの併設は、街の活性化には欠かせないだろう。

実際にイースト・ロンドンもブルックリンも、かつては治安の悪い地帯で家賃が安かったおかげでアーティストたちが集まり、街が活性化していき、注目のエリアとなっていっている。グランビーにも若いアーティストが住み込み、街ぐるみの制作活動を行って、元気づけてくれるだろう。

 

前々からアセンブルの活動は気になっていたのだが、まだ彼らに関する書籍がない。

この展覧会をきっかけに興味がわいたため、彼らのホームページから、

以下は他のプロジェクトについて紹介する。

彼らの最初のプロジェクトは、「シネリウム (The Cineroleum)」(2010)

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このプロジェクトは、依頼されたものではなく、彼ら自らで始めたもので、

クラーケンウェル通りにあるガソリンスタンドを映画館に変えるというもの。

英国中には使われていない空きのガソリンスタンドが4000以上あり、それをリユースできる可能性を示している。

古き良き時代の映画館の、象徴的な外観(iconography)、デカダンなインテリアを

即興的に作った。素材は路上にあった廃棄されたものや寄付されたものなどでできている。ロビーは学校の椅子や机、周りを覆うカーテンは、屋根にはるルーフィング膜を手縫いで縫い合わせたものだそうだ。

昔懐かしい映画館のルックスが今新しい。使っていないガソリンスタンドが地域の人々の集まれる場所に。しかも安い素材で即興的に作れるところがいい。

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ネオン菅のSCREENや演目のサインなど細部のこだわりが、チープな素材で簡易にできた外枠を洗練したものにみせている。(こんな映画館が東京にできたらスーパークールなカルチャー発信地になること間違いない。)

 

今回は、ここまで!

まだまだ彼らの面白いプロジェクトはあるため、また改めて取り上げたいと思う。