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グラミー賞が終わって。ストリーミング時代の音楽への向き合い方

Talk MUSIC

今年もグラミー賞が終わりました。

アデルという歌手の凄さが改めて世に知らしめられた日だったと思います。

5冠。

 

今年も予想を行い、22個中14個が正解となりましたが、

そのうち、5個はアデルというわけです。

 

私は外してしまったのですが、チャンス・ザ・ラッパーの受賞は、今の時代らしいと思います。グラミー賞は、アルバムの売れ行きなども勘案されているものだと思いますが、彼は、ストリーミング配信しかしていないアーティストだからです。グラミーの主要な賞である「レコードオブザイヤー」という表現が不自然に感じる日が近づいているということです。

 

少しここで「ストリーミング配信」がメインの視聴方法となってきた時代について考えてみたいと思います。先にお伝えしておくと、私は、Apple Musicも、Spotifyも、Amazonのprime musicも活用しています。ストリーミングにでてこない曲はアプリのMusic FMもたまに使用します。どっぷりとストリーミングの恩恵を受けている人間です。

「ストリーミング」は、音楽への探求心は満たしてくれるけれど、自分が気に入った音楽への愛着(執着)を薄くさせている気がします。

 

私は、物心ついた時から洋楽が好きでした。小学5年生の時、父がCD屋さんで、「コンピレーションアルバム」を手にとり、この中から好きな曲があればその人のアルバムを買えばいいと教えてくれました。私は流行のポップソング中心のコンピを買い、アヴリル・ラヴィーンの「sk8ter boy」を気に入り、彼女の1st アルバム「Let go」を自分のお小遣いで初めて購入しました。何度も聞きました。歌詞カードには英語が読めなかったため、歌うために、そのまま聞こえた音をカタカナでルビをふってありました。(黒い紙だったので、黒いシャープペンシルで書いていて、見えづらいのが今みるとかわいらしく感じます。)今思えば、なけなしの一枚を大事に思う気持ち、CD一枚への執着心がすごかったと思います。

"Losing Grip"から始まり、"Why"で終わる。ティーンのもどかしさ、怒り、寂しさ、愛しい気持ち、そして世の中ってこんなもんだというティーンなりの悟りのようなもの、その全てをアルバムを通して取り込んで、一枚聴き終えると、少し大人になったような気持ちになったものでした。

 

ストリーミング時代の今、歌詞カードは付いてきませんし、曲を単体で聞くようになり、アルバム全体を最初から最後まで聞くことがあまりありません。Apple Musicではシングルカットの目立つ曲には曲リストの中に星印がついていて、それを聞いておけばOKという具合になっています。私の主観でしかありませんが、アーティストは曲順もとても考えていますし、曲調によって収録する曲のバランスも考えていると思います。Linkin Parkの3rdアルバム「Minutes to Midnight」では、前の曲と次の曲がつながっていて、物語のような仕上がりになっています。これはストリーミングで聞いてしまってはつまらないのではないかと思います。そんなCDならではの醍醐味を、今の時代にティーンの子たちは知らずに生きているんだなと思います。とはいえ、レコードを現役で知らない私は、「針を落とし、裏返し、また針を落とす」楽しさを知らないんだねと大人に言われました。(だからこそ今、針を落とすことにはまっていますけどね!)

 

「ストリーミング」が生まれて、世界中の音楽に、すぐにアクセスできるようになり、最新も、レコードでしかないような古い曲も知れるようになりました。今日はジャズを知りたくなり、明日は電子音楽を知りたくなっても、関心の赴くままに、音楽を楽しめます。この人に似ているアーティストはこちら、おすすめはこちら、機械もレコメンドしてくれます。そして、歩いているとき、ジムで走るとき、雨が降ったとき、突然悲しいことがあったとき、すぐに合う曲を流すことができます。より音楽が生活の友になりました。とても良い時代です。

 

私は、好きなアーティストは、CDやレコードを買うことにしています。買おうと思った時、本当に好きなのか、この先何年もこの曲を聴きたくなるか、もちろん先のことはわかりませんが、やっぱり自分に問いかけます。コンセプトをもって作ったアルバムを最初から最後まで聞くこと、アーティストがその時代時代で持っている考えや嗜好がつまった一つの記録を自分の手元に保管しておくこと、そこで敬意を示したいなと自分なりに思っています。

そういう意味では、今回アデルの「25」はしっかりとアルバムを購入しようと思います。

 

さて、話がだいぶそれてきたところで、今日はお開きにします。

 

後編は、グラミー賞のパフォーマンスについて雑談をします。